会社経営を安定させるには、売上増加に加えて「経費削減」にも取り組むことが大切です。中でもほぼ毎日稼働するオフィスは、工夫次第で多くのコストカットを実現できます。
本記事では、オフィスの経費削減アイデアを徹底的にまとめました。ぜひ参考にしながら、オフィスの固定費・変動費を抑えていきましょう。
中小企業に経費削減は必要?努力すべき2つの理由
経営を安定させるために、多くの企業は売上増加を意識しています。確かに収益アップも重要ですが、経費削減にも同じウエイトをかけることで経営の安定性はぐっと高まります。
なぜ経費削減が重要になるのか、まずはその理由をチェックしていきましょう。
1.売上増加よりも労力がかからない
一般的な企業が売上を増加させるには、新製品の開発やマーケティングが必要です。いずれも大きな効果を見込めますが、これらの施策では多くの人的リソースが必須となるため、その余裕がない中小企業も多いでしょう。
一方で、コストカットは経営者だけでも実践できる施策であり、研究開発やマーケティングのような緻密な戦略も必要ありません。
2.一度削減すると効果がずっと続く
コストの中でも「固定費」は、一度削減するとその効果がずっと続きます。変動費についても、定期的に発生するものをカットすれば大きな節約になるでしょう。
仮に1ヶ月あたり3万円の経費削減に成功すると、1年間では36万円、5年間では180万円の節約になります。
オフィスの固定費を削減するアイデア
固定費とは、事業を行うにあたって常に発生する、売上や販売数に影響されないコストです。例としては人件費や家賃、減価償却費、設備のリース代が挙げられます。
以下のような施策で固定費を削減すると、手元に残る利益を安定して増やせます。
各料金プランの見直し
水道光熱費や通信費の節約としては、プラン(契約)の見直しが効果的です。契約先の企業が同じであっても、プランを切り替えると毎月の料金を節約できる可能性があります。
水道については自治体に委ねられていますが、通信会社・電力会社・ガス会社は自由に選べるので、必要に応じて契約先を変えることも考えてみましょう。
クラウドサービスの導入
クラウドサービスとは、インターネット上にデータやソフトウエアを保管できるサービスのこと。社内サーバーを利用している場合は、格安のクラウドサービスに切り替えるだけで大幅なコスト削減になります。
また、保管したデータは複数の従業員が閲覧・使用できるため、クラウドサービスは情報共有や業務の効率化にもつながります。
不良在庫や不動在庫の処分
不良在庫・不動在庫を抱えていると、これらを保管するためのスペースやメンテナンスが必要になるため、多くの管理費が発生します。そのため、特に長期の不良在庫・不動在庫にあたるものは、積極的に処分することを考えましょう。
定期的に在庫を管理する仕組みを整えておくと、財務を圧迫する在庫が溜まりにくくなります。
賃料の値下げ交渉や引越し
オフィス・事務所を借りている場合は、賃料の値下げ交渉もコスト対策になります。
値下げ交渉をする時期としては、最初に結んだ契約が満了し、更新手続きを行うタイミングが望ましいでしょう。ただし、貸主にもメリットがないと値下げは成功しづらいため、長期契約などの交渉材料を用意しておくことが大切です。
値下げ交渉が成功しない場合は、今よりも家賃が安いオフィス・事務所への引っ越しも検討しましょう。
IT技術やネットサービスを使った業務効率化
IT技術やネットサービスを使って業務を効率化すると、人件費や交通費、印刷代などを節約できます。
具体例としては、資料・書類を印刷不要なPDFデータにしたり、会計ソフトを導入したりする方法が挙げられるでしょう。携帯電話を社員に貸与している場合は、貸与の中止も検討してみましょう。社員の携帯電話を使いながら電話料金を会社負担にできる「分計サービス」を利用することで、携帯電話を貸与する費用を削減することができます。
オフィスの変動費を削減するアイデア
一方で、売上や販売数に影響されるコストは「変動費」と呼ばれます。固定費に比べると節約効果は下がりますが、変動費も細かく見直すことでコスト削減につながります。
アウトソーシングの利用
大きな労力がかかっている業務をアウトソーシングすると、その業務に付随するコスト全体を抑えられる可能性があります。特に専門的な業務は、自社だけで取り組むと多くのコストがかかってしまうので、積極的にアウトソーシングを利用しましょう。
また、経理や事務作業を外部に委託すると、人件費をはじめとした固定費の削減にもつながります。
Web会議の導入
働き方改革やテレワークの影響により、近年ではWeb会議を導入する企業が増えてきました。Web会議を導入すると、打ち合わせ場所に直接出向く必要がなくなるため、交通費や接待費の節約につながるでしょう。
ヘッドセットは必要になりますが、会議ツール自体は無料のサービスが多く存在しています。
消耗品類の見直し
文房具や名刺などの消耗品類も、細かく見直すことで大きなコストカットを実現できます。例えば、プリンターのインクを純正品から互換品に切り替えれば、印刷コストを3分の1程度に抑えられます。
大量発注が多い消耗品については、まとめ買いを条件に価格交渉をする方法も一つの手です。
補助金・助成金の活用
中小企業を対象に補助金・助成金制度が多く実施されています。具体例としては、IT導入補助金やものづくり補助金、トライアル雇用助成金が挙げられます。
補助金・助成金は国や自治体以外に、民間企業や公益団体が実施しているものもあります。本社や事業所がある地域の情報をチェックし、要件を満たしているものは積極的に申請を行いましょう。
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生産性の低下につながる経費削減は避けよう
他にも経費削減アイデアは多くありますが、従業員のモチベーションや品質低下を招く方法は避けるべきです。例えば、従業員の給料や福利厚生をカットすると、生産性の低下によって売上・収益が減ってしまいます。
経費削減にも正しい方向性があるので、本記事を参考にしながら最適な方法を見極めていきましょう。