従来のレジと比べて多機能であり、会計処理のスピードアップにつながるPOSレジ。売上管理や分析にも役立ちますが、コスト面に不安を感じている経営者は多いでしょう。
ここでは、POSレジのメリットやコストなど、導入時に気になるポイントを徹底的にまとめました。使いやすい主要サービスも紹介しているので、迷っている方はぜひ参考にしてください。
POSレジとは?
POSレジ(POSシステム)とは、販売時点でデータを記録・集積し、収集データの管理や分析まで行えるレジ機器のこと。商品・サービスを売り上げると、リアルタイムで品名や価格、ジャンルなどが記録されるため、売上管理や在庫管理のスピードアップを図れます。
実際にはどのような機能が備わっているのか、以下では一例を紹介しましょう。
POSレジに備わっている機能 | |
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機能の種類 | 例 |
レジ機能 | ・注文や会計 ・商品やサービスの一括登録 ・レシートの発行 |
売上の管理・分析機能 | ・売上の登録 ・売上ジャーナル ・収集データを使った分析 |
在庫管理機能 | ・商品データベースの登録や管理 ・在庫情報の表示 ・外部への発注依頼 |
顧客管理機能 | ・顧客情報の登録 ・予約管理 ・オーダーの管理 |
複数店舗管理機能 | ・複数店舗の売上集計 ・報告メールの配信 |
POSレジは飲食業を中心に普及しており、現在では約4割の飲食店が導入済みと言われています。他店舗とのデータ共有もできるので、特に複数店舗を展開している場合は大幅な業務効率化を期待できます。
POSレジの種類やタイプ
POSレジと聞くと、多くの飲食店で採用されている「タブレット型」をイメージする方が多いでしょう。しかし、POSレジには「ターミナル型」や「パソコン型」も存在しており、使用するシーンによって適したタイプが異なります。
POSレジの種類(タイプ) | 主な特徴 | 導入例 |
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タブレット型POSシステム | ・タブレットやスマートフォンを使用する ・導入コストや運用コストを抑えやすい ・操作が容易 | カフェ、アパレルショップ、エステサロン |
ターミナル型POSシステム | ・専用のハードウェアを使用 ・カスタマイズの幅が広い ・導入コストが高い | スーパーマーケット、チェーン店 |
パソコン型POSシステム | ・手持ちのパソコンを使用 ・パソコンがある場合は導入コストが安い ・外部機器によって会計処理も行える | 雑貨屋、衣類店 |
なお、タブレット型やパソコン型では、受け取った金銭の保管場所を別途用意する必要があります。一方で、ターミナル型は機能面が充実しているものの、導入時には1台数十万円のコストがかかるので注意しましょう。
POSレジを導入する5つのメリット
POSレジを導入すると、企業や店舗にはさまざまなメリットが生じます。その中でも、特に押さえておきたい5つのメリットを紹介します。
1.会計処理のスピードがアップする
POSレジは会計機能が豊富であり、クレジットカード端末や電子マネー決済端末との連携が可能です。バーコードで金額を読み取れるのはもちろん、自動釣銭機を導入するとおつり計算も自動で行われるため、会計処理のスピードアップを図れます。
手打ち作業が不要な環境を整えれば、ヒューマンエラー(入力ミスや計算ミス)も防げるでしょう。
2.売上データを一元管理・分析できる
POSレジで会計を済ませると、その売上データは自動的に蓄積されます。リアルタイムで売上状況を共有できるため、分析のためにレジ締めを待つ必要がありません。
また、昨対比や他店舗比などの分析機能も備わっているので、会計ソフトや表計算ソフトを使わなくても簡単に知りたいデータを参照できます。
3.最適な在庫量を常に保てる
リアルタイムでのデータ共有機能により、最適な在庫量を保てる点もPOSレジのメリットです。商品補充の基準を決めておけば、経験が浅いスタッフでも常に的確な判断を下せます。
在庫不足や過剰在庫が発生しづらくなるので、売上アップはもちろんコスト削減の効果も期待できます。
4.マーケティングを強化できる
POSレジには売上や販売数のほか、「いつ」「だれが」「どこで」「なにを買ったのか?」といった顧客データも詳細に記録できます。業種によっては顧客の属性情報も記録できるため、ターゲット層を絞った効率的なマーケティングを実施しやすくなります。
また、特定商品の売れやすい時間帯を記録しておけば、その商品のラインナップや店内配置を工夫することで、さらなる売上アップを狙えるでしょう。
5.会計ソフトとの連携が可能
POSレジには、会計ソフトと連携できるものがあります。このタイプの製品では、入力したレジデータがそのまま会計ソフトに自動入力されるので、損益計算書や貸借対照表の作成に手間がかかりません。
ただし、会計ソフトによって対応サービスは異なるので、導入前には「どのPOSレジなら連携できるか?」を確認しておきましょう。
POSレジの導入コストはどれくらい?
平均的なPOSレジの場合、導入コストは1台あたり約20万円、月額料金は8,000円~1万円程度が相場になります。この金額より安ければ、コストを抑えやすい機種と判断できるでしょう。
ただし、高価格であるほど機能・サポートが充実している傾向にあるため、導入機器は価格だけで判断してはいけません。POSレジを選ぶ際には、コストに加えて以下のポイントも比較することが大切です。
○POSレジを選ぶポイント
・会計処理の際に操作しやすいか?
・自社の業界に特化した機能が備わっているか?
・キャッシュレス決済などの拡張性はあるか?
・外部システムと連携できるか?
・どの端末で利用するか?
いくら機能が充実していても、自社の課題解決につながらなければ高いコストが無駄になってしまいます。使用シーンによって必要な機能は異なるので、まずはPOSレジによって解決すべき課題を明確にしておきましょう。
POSレジはどれを買えばいい?主要サービスを徹底比較
すでにPOSレジはさまざまな機種・サービスがあるため、契約先で迷っている方も多くいらっしゃるでしょう。そのような方に向けて、ここでは主要サービスの概要や特徴をまとめました。
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 | 主な機能 |
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blaynレジ | 17万8,000円~ | 無料:0円 スタンダード:2,800円 プレミアム:9,800円 | ・キャッシュレス対応 ・原価管理 ・個別会計 |
UレジFOOD | 20万円~ | 1台あたり9,980円 | ・売上データ分析 ・会計ソフトやアプリとの連携 ・新人スタッフの練習機能 |
POS+ | 40万円~ (小規模飲食店向けのPOS+liteは13万8,000円〜) | 小規模飲食店:6,000円~ 飲食店:1万2,000円~ 小売店:1万2,000円~ 美容・サロン:1万2,000円~ | ・マーケティングに役立つ分析 ・帳票や伝票の出力 ・スタッフ管理機能 |
スマレジ | 0円~ | スタンダード:0円 プレミアム:4,400円 プレミアムプラス:7,700円 フードビジネス:1万1,000円 リテールビジネス:1万3,200円 | ・免税販売、軽減税率販売 ・商品点数10万点 ・損益管理や顧客管理 |
ユビレジ | 0円~ | プレミアムプラン:6,900円 飲食店向けオプション:8,400円 小売店向けオプション:1万1,400円 | ・顧客管理/CRM ・自社アプリとの連携 ・在庫管理 |
各機種・サービスを徹底的に比較し、自社に最適なものを見極めていきましょう。
blaynレジ
全国で6,500店舗の導入実績がある、飲食店特化型のPOSレジです。タブレット型・ターミナル型の2つが提供されており、いずれの機種もキャッシュレスでの支払いに対応しています。
原価管理や個別会計をはじめ、飲食店に役立つ機能が網羅されているため、1台だけでも多くの業務を効率化できるでしょう。すべてのプランに電話・メールサポート(24時間365日対応)が備わっているので、導入経験がない方でも安心です。
UレジFOOD
大手飲食店の導入事例が多い、継続率99.5%を誇るサービスです。多機能でありながらシンプルな操作性が追求されており、誰でも簡単に扱える仕組み・デザインになっています。
基本的なレジ設定やオーダーシステムはもちろん、約30種類の売上データ分析も備わっているため、通常業務と経営分析の両面で役立ちます。予約台帳アプリや会計ソフトと連携できる点も、飲食店にとっては嬉しいポイントでしょう。
POS+
POS+(ポスタス)は、月間1,000店舗以上から利用されているサービスです。飲食・小売・美容に特化しており、タブレット型のPOSレジを提供しています。
特筆すべき機能としては、競合比較や実績表示(日時別)などの分析機能が挙げられます。マーケティングに役立つ機能が充実しており、分析画面からは帳票や伝票の出力も可能です。
連携している外部サービスも多いので、1台導入するだけで会計処理・経理作業の効率をぐっと高められるでしょう。
スマレジ
手持ちの機器を使用することで、初期費用・月額費用ともに0円から利用できるPOSレジです。すでに10万店舗以上の導入実績があり、規模を問わずさまざまな業界から使用されています。
無料プランでも最低限の機能は備わっており、免税販売や軽減税率販売にも対応しています。有料プランでは損益管理や顧客管理、外部サービスとの連携機能も用意されているため、本格的なPOSレジを導入したい方にもおすすめです。
ユビレジ
99%の利用継続率を誇る、導入前から手厚いサポートを受けられるサービスです。顧客管理や複数店舗管理をはじめ、店舗の売上アップに必要な機能が充実しています。
提供元の株式会社ユビレジは、モバイルオーダーや在庫管理用のアプリも開発しており、これらのアプリとPOSレジを連携させることもできます。用途に合わせてさまざまな使い方ができるため、飲食業や小売業、サービス業など幅広い企業におすすめです。
使用シーンを想定して、最も使いやすいPOSレジを選ぼう
POSレジはさまざまな業務の効率化に役立ちますが、タイプや機種によって使い勝手が異なります。コストや設置スペースの違いもあるため、実際の使用シーンを想定しながら導入するものを選ぶことが大切です。
本記事を参考にしながら、コストパフォーマンスの高い機種を慎重に選びましょう。