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オフィスの電気代を節約するテクニックを社内全体に共有しておくと、年間単位で大きなコスト削減が期待できます。ただし、空調や照明などに関係した毎日の習慣を少しずつ改善していくことが必要です。本記事では、どのような習慣の改善が必要なのかオフィスの電気代節約術とあわせて解説します。

オフィスで最も電気代がかかるのは?

オフィスの電気代を節約する際は、まず電力消費の内訳の把握が必要です。ここでは、一般的なオフィスの用途別電力消費を確認してみましょう。

オフィスの用途別電力消費

資源エネルギー庁が出している推計によると平均的なオフィスビルの電力消費比率は、以下の通りです。

  • 空調:約48%
  • 照明:約24%
  • OA機器:約16%
  • その他:約12%

そのため、節電対策をするなら空調・照明・OA機器の順で考えていくと効率が良いでしょう。

オフィスの電気代節約法

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具体的なオフィスの電気代節約方法について「空調」「照明」「OA機器」それぞれでまとめました。どれもすぐに取り組めるものばかりなので、ぜひ今日から節電にチャレンジしてみましょう。

空調編

・温度設定
オフィス内の温度設定を1度変えるとエアコンの電気代が月間5~10%近く変わります。目安として冬場は22~23度、夏場は26~27度を基準にエアコン温度を設定するとよいでしょう。

また、夏場は扇風機を併用する方法が有効です。冬場は寒さに弱い人がそれぞれにひざかけの使用などの防寒対策をとる方法もあります。

同じ温度でも湿度によって体感温度が異なるため、オフィスに湿度計を設置し加湿器などで調整するのもおすすめです。単なる節電効果だけではなくオフィスを過ごしやすい空間に変えてくれる効果も期待できます。

・リモコンのロック機能活用
オフィスでエアコンを使用する場合、温度設定を個々の都合で変更できないようにロック機能を使うと効率よく温度管理ができます。ロック機能とは、1台のリモコンだけで全体の空調を管理するための機能です。あわせてエアコンを操作できる管理者もあらかじめ決めておくとよいでしょう。

・フィルターの清掃
オフィスのエアコンでありがちなのが「フィルター汚れによる空調効果の悪化」です。特に夏冬は、エアコンの使用頻度が多くなりフィルターが汚れやすいため、こまめに清掃して空気の循環効率を改善しましょう。

フィルターを清掃することで冷房時約4%、暖房時6%の消費電力削減になるといわれています。そのため、できるだけ2週間に1回程度はフィルター掃除を行うのが理想的です。

照明編

・LEDに切り替える
一般家庭と違い、オフィスでは朝から晩まで照明をつけっぱなしの状態になります。そのため、照明の消費電力を抑えて球切れを起こしづらいLED電球に切り替えれば電力効率が高まるでしょう。

LED照明は通常の蛍光灯よりも高価ですが、導入するだけで電気代約50~60%削減が期待できるため、長期的に考えればLED電球のほうが圧倒的にお得です。

・不要な蛍光灯を抜く
オフィス全体を見わたすと、例えば物置など普段あまり照明を必要としないスペースもあるでしょう。そういった場所の照明をあらかじめ抜いておけば節電効果があります。

とはいえ、やりすぎると業務効率を悪化させる可能性もあるため、社員の反応を確認しながら段階的に全体の照明本数を減らしていくことをおすすめします。

・こまめに電気を消す
使っていない部屋の電気をこまめに消す習慣をオフィス内で徹底できれば、電気代を節約できます。「誰かがやってくれる」ではなく「気づいた人が即消灯する」など、社内の意識を徹底するとより節電効果が高まるでしょう。

資源エネルギー庁が推奨する節電アクションの一つに含まれている「昼休みの完全消灯」を取り入れることも方法の一つです。

OA機器編

・ディスプレイの明るさを落とす
オフィスでたくさん使われているパソコンの電力消費を減らしたいなら、業務効率とのバランスを考慮しながらモニターの明るさを見直しましょう。例えば標準の設定からモニターの明るさを約40%に下げると、10~20%程度の消費電力削減が期待できます。

・スリープモードを活用する
オフィスで使用しているOA機器にスリープ機能がある場合は、積極的に活用しましょう。使用頻度が多いOA機器の場合、電源を完全に落としてしまうと仕事の効率に悪影響を及ぼしかねません。

しかし、スリープ機能を活用すれば業務のスピードを落とすことなく節電できます。特にコピー機など電力消費が大きい機器の場合、スリープ機能は積極的に活用するようにしましょう。

・省エネタイプの機器を使う
使用頻度が多いOA機器は、購入時から電力消費の少ない省エネタイプの機器を選んでおくと長期的な節電になります。リース機器の場合は、定期的に機種の見直しを行うのもよいでしょう。

その他にもできる工夫

・就業時間の見直し
残業の割合が多いオフィスの場合、就業時間の見直しが節電になるケースがあります。例えば全体で20名の社員のうち1~2名の社員のみがオフィス全体の照明や空調を使って毎日残業をした場合はどうでしょうか。残業を減らすことである程度の光熱費削減が見込めます。

もちろん、業務上必要な残業を禁止するわけではありません。不要不急の残業を減らせる体制を構築することで消費電力の削減が期待できます。

・電力会社の見直し
電力会社を変えることで電気代が安くなる可能性があります。一手間をかけて現在の電力会社のプランと費用を確認したら、他の電力会社から見積もりを取って比較をしてみましょう。場合によっては、年間100万円近いコスト削減につながるケースもあります。特に電力小売全面自由化が開始した2016年4月1日よりも前から電力会社を変えていない場合は、要チェックです。

新規の電力会社が数多く参入した2016年4月1日以降、電力会社ごとの料金プランに大きな違いが見受けられるようになりました。大規模なオフィスビルにテナント入居している場合は対策しづらいかもしれませんが、管理会社に働きかけることは可能です。

いずれにせよ一括見積もりサイトなどを活用して、オフィスの稼働時間や電力消費量に合った最適なプランを検討しましょう。

取り組みやすさと省電力効果を見極めて取り組もう

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本記事で紹介した節電対策は、すぐに始められるものから一定のコストがかかるものまでさまざまです。まずは、手軽なものから取り組みを始めて全体のエネルギー効率を改善していきましょう。

最後に紹介した電力会社の見直しは手間がかかりますが、非常に大きな効果を期待できる節電方法の一つです。自社の電気代が高いと感じているなら、ぜひ各社のプラン・見積もり比較をしてみることをおすすめします。

近年は、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からもエネルギーの有効活用の重要性が叫ばれている傾向です。本記事を参考に、オフィスの電力消費を減らしていきましょう。