マーケティングオートメーション(MA)の目的はマーケの自動化

マーケティングオートメーション(以下、MA)とは、企業のマーケティング活動を自動化することを言います。

MAツール導入のメリットは4つ

MAの目的はマーケティング活動の効率化ですが、MAツールを取り入れるメリットは具体的に次の4つがあげられます。

ユーザーごとに最適なコンテンツを提供できる

LP(ランディングページ)やブログなどの流入経路を解析することで、見込み顧客がどういう関心を抱いているのかを推測できるようになり、その顧客が抱えている課題も理解できるようになります。見込み顧客の課題がわかると、その顧客の課題を解決するために必要と思われる商品やサービスを勧めることができ、売上アップを実現できます。

マーケティングにかかわる作業を自動化できる

これまで手作業で実施していた作業がシステムで自動で実行できるようになります。メルマガを配信している企業の場合、MAツールの設定で、見込み顧客が購入した経路を把握する設定をしていれば、それぞれの関心や段階に合った定型文やデザインのメールを送ることができます。その他にも、見込み顧客の詳細なデータの集計や分析もできるので、これまでExcelで手作業でデータを分類したり、分析したりする手間がなくなります。

データを一元管理

MAツールはシステムでさまざまなマーケティングデータの管理、分析が可能です。見込み顧客の詳細な情報、マーケティング戦術、プロモーションのフィードバックなどマーケティングに必要なデータを統合できます。現状の業務で、仮に、営業部に顧客データ、マーケティング部に戦略データのように、別々の部署でデータを管理していたとしましょう。その場合、部署間でデータのやり取りが発生するため、タイムラグや受け渡し漏れなどのミスが発生する可能性が出てきます。さらに、別の部署から共有されたデータを手作業で整理し、分析をしているとかなりの時間がかかります。MAツール内にあらかじめ各データが蓄積されていれば、どの部署に所属していてもそのツールにログインすれば、正確な情報が受け取れるようになり、自動で欲しいデータを抜き出すことができます。そのため、作業ではなく、戦略立ての方に時間を費やすことが可能になります。

顧客のナーチャリング(育成)

獲得した見込み顧客に向けて、ナーチャリング(育成)をすることができます。マーケティングでは、「新規顧客をいかに増やすか」に目がいきがちですが、購入した顧客のデータを見ると、新規顧客よりも既存顧客の割合の方が高い、といったことはよくあります。成約に至らなかった顧客に対しても、継続的に接触をすることによって将来顧客になるように育てていけます。定期的にフォローアップのメールを送ることで、その後の購買につながることもあるため、リピート施策も大事にしましょう。

SFAや広告配信ツールなどとの連携機能

MAツールに溜まった情報は、営業活動や企業広告にも活用できます。MAツールを選ぶ際は、すでに自社で導入済みのSFAや広告配信ツールがある場合は、それらとのデータ連携が可能かを確認するようにしましょう。連携ができるツールを選ぶことで、データの一元管理ができ、さらにマーケティング活動の効果を最大化することができます。

MAツール導入のデメリットや注意点

MAツールの導入には、上記のようなメリットがありますが、一方で、デメリットや注意点も考えられます。導入時や導入後の運用において、以下のようなポイントに注意する必要があります。

導入コストが高い

多くのMAツールは高額なため、中小企業にとっては導入が難しい場合があります。

ツール導入だけでは効果を上げることはできない

ツールを導入したからといって、すぐに効果が出るわけではありません。実際にツールを活用して、具体的な施策を実施しなければ、MAの目的であるマーケティング活動の効率化は図れません。

ツールの操作が難しい場合がある

高機能なMAツールは操作が難しく、適切な研修やサポートが必要となります。

ツールに依存しすぎると、本来のマーケティングの目的を見失いがち

ツールを導入することで、マーケティング活動が効率化されることは確かですが、ツールに頼りすぎると、本来のマーケティングの目的や方向性を見失ってしまうことがあります。

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MAツールの主な機能

ここからはMAツールの主な機能について紹介します。機能を知ることでまだMAツールの導入をしていないという方も、どんなツールなのか理解できるようになるはずです。

メディアやLPを作成する機能

MAツールでWEBメディアやLPを作成する最大のメリットは、A/Bテストができることです。

A/Bテストは、WEBマーケティングでよく使われる分析の方法で、クリエイティブや配信先のターゲットなどを変えた2つ以上のパターンを比較し、どちらのクリエイティブや設定がよかったのかを確かめる方法です。

最近はノーコードでページを作成するツールがたくさんありますが、サイト制作やメール作成ができるだけではマーケティングにはなりません。

MAツールでは、流入経路ごとにデザインやキャッチコピーなどを変更でき、その成果を分析することができるため、それぞれの顧客に最適なクリエイティブでアプローチすることができます。

顧客情報の管理機能

メディアやLPなどに流入してきた見込み顧客の詳細な情報を管理できる機能です。

顧客の情報といっても、個人情報のみを管理するわけではありません。WEBの訪問履歴や、流入経路などの行動記録を管理することができ、マーケティング分析に役立てられます。

多くのMAツールは、この部分に力を入れており、MAツールのメイン機能とも言えるでしょう。

メリットとしては、会社の社員それぞれが持つ顧客情報を一元管理できるので、情報の共有の手間や漏れを防げます。

リードスコアリング機能

見込み顧客がカスタマージャーニーのどの段階にいるのか、見極める必要があります。段階によって顧客を分類し、それぞれの分類に別々の施策を講じるための機能です。

例えば、分類1の顧客には手軽な価格帯の商品を、分類2の顧客には高価格帯の商品を、といったセグメントごとのアプローチが実現できます。

メール配信機能

関係性の強化、新商品のプロモーションなどにメルマガを利用している企業は多いです。

メルマガは、週に1回など定期的に配信するケースがほとんどで、その配信作業を効率化します。

メールの一斉送信や、タイマー設定などができるので、作業の漏れを防ぐことができます。