目次
電子契約サービスとは?
電子契約サービスとは、紙の契約書の代わりに電子契約書を作成・送付できるサービスです。電子契約書はメールやシステムなどを使ってWebから送受信できます。紙の請求書を電子化して保管したり、作成した電子契約書を紙に印刷し、郵送代行したりできるサービスもあります。
電子契約サービスを導入するメリット
電子契約サービスを導入することで、バックオフィスのコスト削減やコンプライアンスの強化などが期待できます。電子契約サービスの導入メリットを3つ紹介します。
契約回りの業務効率化
電子契約サービスを導入する1つ目のメリットは「契約回りの業務効率化」です。
電子契約サービスを導入することで、契約書を印刷したり郵送したりする手間がなくなります。作成した契約書はWebを介して取引先に送付できます。内容の訂正もシステム上ですぐにできるため、訂正のために契約書を送り返してもらうこともなくなるでしょう。
また、電子契約サービスには、電子・紙の請求書を保管しておけます。紙の請求書はPDFなどの形式で保管し、OCR(光学文字認識。画像ファイルに書かれた文字を読み取りテキストデータ化する機能)によりデータ化することも可能です。
これにより、契約書をすべて電子契約サービスのシステム上に保管できるようになります。システムに保管された契約書は、期間や取引先、金額などの条件を指定して検索できるため、必要な書類をすぐに見つけられるでしょう。
紙の契約書のように、ファイルに保管した契約書を一枚一枚めくりながら探す必要はありません。
コスト削減
電子契約サービスを導入する2つ目のメリットは「コスト削減」です。
先述の通り、電子契約サービスを導入することで、契約回りの業務を大きく効率化できます。これはそのまま、バックオフィスの人件費削減につながるでしょう。
契約書を電子化すれば、印刷や郵送にかかるコストもなくなります。紙の契約書では金額が5万円を超えたら収入印紙を貼らなければなりませんが、電子契約書なら金額にかかわらず収入印紙を貼る必要がありません。印紙代も抑えられるでしょう。
また、契約書の保管スペースが不要になるのも大きいです。紙の契約書を保管するためのファイルやキャビネットを購入する必要も、これらの保管スペースもいらなくなります。保管スペースが必要なくなった分、狭くて家賃の安いオフィスに移ったり、業務に使うスペースを広げたりできるでしょう。
コンプライアンスとセキュリティの強化
電子契約サービスを導入する3つ目のメリットは「コンプライアンスとセキュリティの強化」です。
電子契約書はシステム上に、電子データの状態で保管されます。そのため、物理的な盗難や不正な持ち出し、盗難などのリスクはありません。
ほとんどの電子契約サービスは契約書の閲覧や編集などの権限を細かく設定でき、編集の履歴も確認できます。これにより従業員は自分に関係のない契約書にアクセスできなくなり、不正な改ざんも防ぎやすくなります。
たしかに、電子契約書はシステム上に保管されるため、ネットワークを介した情報漏えいや不正アクセスなどのリスクはゼロにできません。
しかし、電子契約サービスのベンダーはこのことを理解し、各社万全のセキュリティ対策を講じています。自社で電子契約書を保管・管理するよりも、電子契約サービスを活用した方が、ずっと安心できるでしょう。
電子契約サービス導入時の注意点
電子契約サービスは契約回りの業務効率化やコンプライアンス強化など、さまざまなメリットをもたらすものです。
しかし、どんなサービスにもデメリットはあります。導入・運用のコストがかかるのは当然として、ほかにも「取引先の協力が必要」「従業員の教育が必要」なことは覚えておきましょう。
取引先の協力が必要
電子契約サービスを活用するには取引先の協力が必要です。
サービスを導入するだけなら自社だけでもできますが、取引先が協力してくれなければ、契約書の電子化は進められません。取引先が契約書の電子化に積極的でも、自社が導入しようとしているものとは別の電子契約サービスを導入したいと考えているかもしれません。
主要な取引先が契約書の電子化に積極的なこと、どんな電子契約サービスを検討しているかを確認しましょう。取引先が電子化に難色を示すようなら、先述の「電子契約サービスの活用メリット」を伝え、交渉するのもいいでしょう。
従業員の教育が必要
電子契約サービスに限らず、新しいシステムやサービスを導入したら、その使い方を従業員に覚えてもらわなければなりません。特に契約書の電子化がはじめての企業では、従業員の教育コストが大きくなるでしょう。
せっかく電子契約サービスを導入しても、従業員にとって使いづらいものでは、大きな導入効果は得られません。閲覧・編集権限の設定やワークフロー、契約書の検索・抽出などの機能を使いこなせるよう、研修を開いたりマニュアルを用意したりしましょう。
電子契約サービスの中には、これらの従業員教育まで提供してくれるものもあります。社内にITに詳しい人材がいない場合は、このようなサービスを選ぶといいでしょう。
電子契約サービスの選定ポイント
電子契約サービスの導入効果を最大化するには、自社に合ったものを選び、積極的に活用することが大切です。電子契約サービスの選定ポイントを5つ紹介するので、自社にとって使いやすそうなものを探してみましょう。
業務効率化に役立つ機能
電子契約サービスを選ぶ1つ目のポイントは、「業務効率化に役立つ機能」です。
電子契約サービスにはワークフローや文書のテンプレートの作成・管理などの機能もあります。自社のワークフローや、契約書以外に電子化したい文書などを踏まえ、使いやすいものを選びましょう。
もちろん、電子契約書の作成や管理、検索などの基本機能も大切です。
コンプライアンス・セキュリティに関する機能
電子契約サービスを選ぶ2つ目のポイントは、「コンプライアンス・セキュリティに関する機能」です。
電子契約サービスは取引に関する機密性の高い情報を扱うサービスです。万が一にでも情報漏えいが起これば、自社の信用失墜はもちろん、損害賠償にまで発展することもありえます。
編集や閲覧の権限設定、これらの履歴の確認など、コンプライアンスに関する機能も重要です。
特に大切なのがタイムスタンプで、ある時点でその電子データが存在していたこと、その時点以降に改ざんされていないことを証明します。タイムスタンプの付与ができる電子契約サービスを選ぶことで、契約書に関する不正を防ぎやすくなるでしょう。
既存システムとの連携
電子契約サービスを選ぶ3つ目のポイントは、「既存システムとの連携」です。
CRMやグループウェアなどのシステムと電子契約サービスを連携させることで、さらなる業務効率化ができるでしょう。自社で導入済みのシステムはもちろん、今後導入する予定のシステムとの連携も確認しておきたいです。
サポート体制
電子契約サービスを選ぶ4つ目のポイントは、「サポート体制」です。
先述の通り、電子契約サービスの導入効果を最大化するには、従業員がサービスを使いこなせなくてはなりません。特にITツールをあまり使ったことがない企業は、導入時や運用中のサポート体制が充実したサービスを選ぶことが重要です。
料金
電子契約サービスを選ぶ5つ目のポイントは、「料金」です。
電子契約サービスの多くは「初期費用+月額料金」のサブスクリプション制です。月額料金は固定のものもあれば、契約書の枚数やユーザー数などにより変動する従量制のものもあります。
初期費用の有無や月額料金の金額だけでなく、料金形態もチェックし、自社にとってお得なサービスを選びましょう。
電子契約サービスおすすめ3選
freeeサイン
freeeサインはクラウド会計ソフトで有名な「freee」が提供する電子契約サービスです。契約業務はもちろん、さまざまな文書の作成・管理に対応しており、文書関連の業務を楽にしてくれます。
契約書ごとにワークフローを設定したり、取引先の承認作業をサポートしたり、自社・取引先ともに役立つ機能が搭載されています。
弁護士監修の安心して使えるサービスなのもポイントです。
クラウドサイン
クラウドサインは導入率・売上シェアNo.1の電子契約サービスです。自治体での導入数もNo.1であり、多くの組織から信頼される、安心して利用できるサービスといえます。
取引先にとっても使いやすい電子契約サービスです。取引先には特別な準備は一切必要なく、メールアドレスで認証が行われます。
簡単に使えること、利用経験のある組織が多いことから、「取引先の協力が得られるか不安」という場合にもおすすめです。
BtoBプラットフォーム 契約書
BtoBプラットフォーム 契約書は電子契約書はもちろん、注文書や秘密保持契約書などのさまざまな文書に対応したサービスです。
新規契約だけでなく、過去の契約書を電子データ化し、電子保存することもできます。電子・紙の両方の契約書をクラウドで一元管理できるため、紙の契約書の保管スペースを削減したい企業、契約書を探すのに時間がかかっている企業には特におすすめです。
電子契約サービスを活用し、契約回りの業務をスリム化しよう
電子契約サービスを活用することで、バックオフィス業務を効率化したり、契約に関する取引先とのやりとりをスムーズにしたりできます。
ただ、これらのメリットは自社に合った電子契約サービスを導入し、積極的に活用できなければ得られないでしょう。
本記事で紹介した電子契約サービスはどれも導入実績が豊富で、多くの企業にとって使いやすいように操作性や機能をブラッシュアップし続けてきたものです。まずはこの3つの中から気になるサービスを探し、公式サイトで機能や料金について詳しくチェックしてみましょう。