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光回線を導入していても、利用環境によってはページ表示の遅さに悩まされることがあります。今回は、光回線が遅いときの原因や対処法について解説します。必要な回線スピードもまとめているので、参考にしながら自身のネット環境を見直してみましょう。

光回線が遅い?最初にやるべきことと主な原因

光回線が遅いときには、まず回線速度を計測することが大切です。ウェブ上の測定サイトを利用すると、誰でも簡単に以下の値をチェックできます。

○測定サイトで確認できること
・下り速度(Download):データを読み込むときの速度
・上り速度(Upload):データを送信するときの速度
・Ping値:データを送信してから応答が返ってくるまでの速度。

測定をした結果、「遅い」「Slow」のように表示された場合は回線を含むインターネットに原因があります。どのような原因が考えられるのか、主なものを見ていきましょう。

○光回線が遅いときの原因の例
【1】通信障害が発生している
【2】セキュリティソフトが干渉している
【3】ウェブサイトのサーバーに負荷がかかっている
【4】プロパイダが混雑している
【5】建物内のネット回線が混雑している(※マンションやビルの場合)

上記【3】~【5】のように、回線事業者やアクセス先のウェブサイトに原因がある場合は、問題が解決されるまで待つ必要があります。一方で、自身の接続状況や機器が原因となっている場合は、後述の対処法を試してみましょう。

光回線はどれくらいのスピードが必要?

そもそも、光回線はどれくらいのスピードが理想なのでしょうか。作業内容によって必要なスピードは変わるため、目的別の目安速度を見ていきましょう。

目的・作業回線速度の目安
Webページの閲覧、メール受信、LINEの受信1Mbps
SNS投稿(写真)、ビデオ通話3~5Mbps
SNS投稿(動画)、動画閲覧、データ共有5~10Mbps
高画質なビデオチャット、オンラインゲーム30~100Mbps

高画質・大容量のサービスを利用しない限りは、30Mbpsもあれば快適なネット環境を実現できます。ただし、回線速度はダウンロードやファイル受信の時間に影響するため、作業を効率化させたい場合はできるだけ速さにこだわりましょう。

光回線が遅いときの対処法

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ここからは、光回線が遅いときの対処法をまとめました。専門家でない限りは原因の特定が難しいため、悩んでいる場合は一つずつ試してみましょう。

モデムやルーターの電源を入れ直す

真っ先に試したいものとしては、モデルやルーターの電源を入れ直す方法が挙げられます。内部に溜まった熱を放出するために、一度電源を切ったら5~10分程度そのまま放置して、再度電源を入れてみましょう。

それでも接続が回復しない場合は、モデルやルーター本体の故障を疑う必要があります。

LANケーブルを交換する

各機器を接続するLANケーブルには最大通信速度があり、それ以上のスピードは出ない仕組みになっています。古い規格の場合は、最大通信速度が100Mbps程度に設定されていることがあるので、まずは使用中のLANケーブルを確認してみましょう。

もし古い規格のものが見つかったら、最大通信速度が1Gbpsの「CAT5e」に変えるだけで大幅なスピードアップを期待できます。

ルーターを交換する

LANケーブルと同じく、ルーターも機種によって最大通信速度が異なります。特に「Wi-Fi4(IEEE 802.11n)」以前の機種は、Wi-Fi接続における最大通信速度が54Mbpsであるため、光回線のパフォーマンスを活かせません。

また、ルーターを365日24時間稼働させている場合は、熱による故障・不具合が生じる可能性もあります。これらのケースに該当する場合は、最新のルーターへの交換を検討しましょう。

Wi-Fiの中継器を使う

Wi-Fi接続の遅さで悩んでいる方は、アクセスポイントと機器をつなげる「中継器」の導入を考えてみましょう。Wi-Fi接続のスピードは距離に左右されるため、パソコンなどの機器とルーターが離れていると、期待通りのパフォーマンスを得られないことがあります。

プロパイダを変える

手っ取り早く回線速度を上げたい方には、プロパイダを変える方法がおすすめです。特にIPv6 方式に対応したプロパイダは混雑が起こりづらいので、利用する人が多い時間帯でもスピーディーなネット環境を実現できます。

モデルやルーター、LANケーブルを一新する機会にもなるため、安定した回線を求めている方は前向きに検討してみてください。

ユーザー側で解決できない場合は、プロパイダの変更を考えよう

光回線が遅い原因はいくつかあり、短時間での特定は簡単ではありません。また、使用している機器やサービスによっては、ユーザー側での問題解決ができないケースも見られます。

インターネット回線は常に使い続けるものなので、これを機にプロパイダの変更も検討してみましょう。