会社設立のメリットや具体的な手続きの流れを理解しよう
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会社を設立する手順は、個人事業主として起業する場合とはまったく異なります。会社設立にはさまざまな手続きが必要ですが、一度設立すれば法人ならではのメリットを享受できます。これから会社設立を考えている人は、法人を設立するメリットや具体的な手続きについて、正しい知識を身につけておきましょう。

目次

  1. 会社設立とは
  2. 会社設立にかかる費用とは
  3. 会社設立の手順
  4. 会社設立後に必要なもの
  5. 段取りよく起業・法人設立をしよう

会社設立とは

会社設立とは管轄法務局に登記を申請し、法人組織を立ち上げることです。会社組織の形態はいくつかありますが、日本において社会的信頼度が最も高いのは「株式会社」です。その他、「合同会社」や「一般社団法人」などを設立することができます。

会社設立のメリットは?

会社を設立すると、会計や税制、経営・資金繰り、事業承継の面でそれぞれメリットがあります。それぞれについて、詳しく解説します。

・会計面のメリット

会社設立によって得られる会計上のメリットとしては、経費処理のバリエーションが広がることが挙げられます。法人では、借入金の返済や固定資産の購入を除いて、事業に必要な支出はすべて経費として扱うことができます。例えば、個人事業主の場合は生命保険や火災保険などの保険料は経費に計上できませんが、法人であれば経費として処理できます。

・税制のメリット

会社を設立すると、税制優遇を受けられます。個人事業主の場合は所得税が累進課税なので、収入が増えるほど税金の負担が重くなります。一方、法人であれば利益が増えても税率が一定なので、ある程度の売上規模がある場合は節税対策としても有効です。

・経営・資金繰り面のメリット

会社を設立するということは、同時に法律上の人格である「法人格」を得ることを意味します。この法人格を得ていることで、個人事業主よりも社会的信用度が上がります。また、会社を設立すると融資や出資も受けやすくなり、補助金や助成金などの制度も利用できるため、資金繰りの面でもメリットがあるといえます。

・事業承継の面のメリット

会社を設立しておくと、起業した本人が何らかの理由で引退した場合でも、事業承継や譲渡を行えば会社を存続できます。取引先との関係維持や従業員の雇用安定を考えるのであれば、会社を設立しておくほうがよいでしょう。

会社設立にかかる費用とは

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会社を設立するためには資本金のほか、定款の作成や登記などのお金がかかります。株式会社であれば、登記だけでも約25万円の費用がかかり、定款の作成を税理士や行政書士などに依頼する場合は、別途費用を支払うことになります。

会社設立の手順

会社を設立するためには、登記完了までの流れに沿って、さまざまな準備を進めていく必要があります。スムーズに会社を設立するために、全体の流れを把握しておきましょう。

会社の印鑑購入と基本情報の決定

会社設立を決めたら、まず以下の5つについて内容を決めます。

  • 会社名(商号)
  • 本社所在地
  • 事業目的
  • 資本金
  • 発起人

いずれも必ず定款に記載する重要項目なので、定款作成を念頭に置いて考えましょう。また、会社設立の手続きを進める際に法人の印鑑が必要になるので、会社名が決まったら早めに用意しておきましょう。

資本金を準備する

資本金は純資産であり、会社の財務力を示す指標でもあります。設立時に用意する資本金の額は業界や業態によって異なりますが、初期費用に加え、3ヵ月〜半年は売上がなくても事業を続けられるお金を用意しておくと安心です。

定款を作成する

定款とは、会社の根幹となる規則を記した書類のことです。定款の記載内容は、会社法によって一定の基準が定められています。「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3項目に分けられており、最初に決めた会社の基本情報などの「絶対的記載事項」は必ず記載しなければなりません。

公証役場で定款認証を受ける

定款の作成が終わったら、公証役場で認証を受けましょう。認証を受ける際は、本社がある地域の公証役場に連絡し、予約します。あらかじめFAXや郵送で公証人に定款の内容を共有しておくと、事前にチェックしてもらえるので当日の認証がスムーズになります。

資本金の払込

定款の認証が確定した日以降に、資本金を振り込みます。この時点ではまだ法人口座がないため、振込先は発起人の個人口座になります。登記の申請時には資本金の振込の証明が必要になるので、通帳の表紙と1ページ目、そして資本金の振込が記載されているページをコピーしておきましょう。

法務局で登記申請をする

資本金の払込が終わったら、いよいよ会社の登記を行います。以下の必要書類をそろえて、法務局で登記を申請しましょう。

  • 設立登記申請書
  • 定款
  • 登録免許税納付用台紙
  • 発起人決定書(発起人が複数の場合は発起人会議事録)
  • 代表取締役等の就任承諾書
  • 取締役の印鑑証明書
  • 印鑑届
  • 出資金の払込証明書

登記申請後に法務局で確認・手続きを行う

登記申請後、およそ10日で会社登記が完了します。申請した法務局で確認した後、「登記事項証明書」や「印鑑証明書」を取得しましょう。なお、法人口座の開設や税務署への各種届出には「登記事項証明書」が必要です。

事業開始前に必要な諸手続き

登記完了後、事業を開始するまでに以下のような手続きが必要です。

  • 税務署に国税に関する届出を行う
  • 地方自治体に地方税に関する届出を行う
  • 年金事務所に社会保険加入に関する届出を行う
  • 従業員を雇用する場合は、労働基準監督署とハローワークに届出を行う
  • 法人口座を開設する

それぞれ提出すべき書類や提出期限が異なるため、登記が完了するまでにやるべきことをリストアップしておくとよいでしょう。

会社設立後に必要なもの

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会社を設立したら、いよいよ事業を開始します。会社設立後、必ず必要になるのは以下の3点です。

各種契約書

会社設立後に従業員を雇う、取引先や顧客と取引を行うといった場面で、契約書が必要になります。契約書は、あらかじめテンプレートを用意しておくと便利です。事業で用いる主な契約書は、以下のとおりです。

  • 雇用契約書
  • 業務委託契約書
  • 秘密保持契約書
  • オフィス賃貸契約書

法人用銀行口座・クレジットカード

登記完了後は法人口座を開設し、法人と個人のお金を分けて管理します。また、法人向けのクレジットカードを作っておくと、カード利用明細をそのまま経費処理に使えるので便利です。ただし、創業間もない時期は事業の実績がない分、審査に通りにくいため、創業期でも審査に通りやすい法人向けのクレジットカードをあらかじめ調べておきましょう。

オフィス

会社所在地を自宅にしている場合、プライベートと仕事の切り分けが難しくなります。とはいえ、創業期にオフィスを借りることで、毎月の固定費が増えることを避けたいというケースは少なくありません。その場合、「シェアオフィス」や「コワーキングスペース」を事務所として活用すれば、個別に事務所を借りるよりも初期費用を抑えることができます。

段取りよく起業・法人設立をしよう

会社設立をスムーズに進めるためには、登記完了後に必要な手続きも見据えて、計画的に準備しましょう。登記予定日から逆算して、具体的なスケジュールと付随するタスクを早めに整理しておくことをおすすめします。