固定費と変動費とは?3つの分析方法と削減のポイント
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企業のコスト対策は、固定費と変動費に分けて考えることが大切です。経費削減の方法は数多く存在するため、「どのコストを削減できるか?」や「どれくらい効果があるのか?」を比較した上で、自社に最適な方法を選ばなくてはなりません。

ここでは、固定費と変動費の違いや分析方法、経費削減のポイントを分かりやすく解説します。本記事を参考にしながら、効率的なコスト対策を考えていきましょう。

目次

  1. 固定費の変動費の違い
  2. 固定費と変動費はどう分析する?
  3. 固定費と変動費を削減するには?
  4. まずは固定費から削減することがポイント

固定費の変動費の違い

日々の支出を固定費・変動費に分けることは、コスト対策の基本です。これらの費用にどのようなものが含まれるのか、まずは概要や違いから押さえていきましょう。

固定費とは?

経営コストの中でも、売上や販売数に左右されないものは「固定費」と呼ばれています。固定費は常に一定額であるため、仮に売上がゼロであっても発生します。

その性質から「不変費」とも呼ばれており、例としては人件費や家賃、減価償却費が挙げられます。

変動費とは?

一方で、売上や販売数によって増減するコストは「変動費(可変費)」と呼ばれます。売上と比例する性質を持っているため、仮に売上がゼロであれば変動費はかかりません。

分かりやすい例としては、仕入れ費や外注費、原材料費が挙げられます。

固定費と変動費の一覧表

発生するコストを固定費と変動費に分けることは、「固変分解」と呼ばれています。実際にはどのように固変分解するのか、以下で固定費・変動費の例を見ていきましょう。

固定費の例変動費の例
・従業員への給与や手当
・福利厚生費
・減価償却費
・地代家賃
・水道光熱費
・通信費
・広告宣伝費
・従業員教育費
・研究開発費
・租税公課 など
・仕入れ費
・原材料費
・外注費
・燃料費
・運賃や荷造り費
・機器のメンテナンス費
・設計費
・車両修理費 など

上記が一例となりますが、固変分解の方法は業種・業態によって異なります。例えば、IT企業における水道光熱費は固定費にあたりますが、現場によって使用電力が大きく変わる建設業では、水道光熱費を変動費に含めるケースもあります。

固定費と変動費はどう分析する?

固変分解をしたら、次は固定費・変動費から財務状態を分析してみましょう。特に以下で紹介する3つの方法は、さまざまな企業の経営分析に役立ちます。

損益分岐点

損益分岐点(損益分岐点売上高)とは、企業の売上とコストがちょうどつり合う点です。言い換えれば、経営赤字にしないための売上高であり、数値が低いほど経営が安定している状態を意味します。

損益分岐点=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

現時点での売上と比較した場合に、損益分岐点を下回るまたは余裕がない場合は、固定費・変動費の大幅な削減が必要です。

安定余裕率

安全余裕率は、損益分岐点と比較した場合に「売上にどれくらい余裕があるか?」を表す指標です。下記の計算結果がプラスであれば、その企業には儲けが出ていることになります。

安全余裕率={1-(損益分岐点÷売上高)}×100

業種・業態によっても異なりますが、安全余裕率の目安は20%と言われています。この数値を下回る場合は、コスト削減または売上を増やすといった努力が必要になります。

限界利益・限界利益率

限界利益とは、その事業にかけた固定費を回収できる利益額のこと。また、売上高に対する限界利益の割合は「限界利益率」と呼ばれています。

限界利益=売上高-変動費=固定費+利益
限界利益率=限界利益÷売上高=(利益+固定費)÷売上高

限界利益率からは、売上が増減したときの利益額を読み取れます。限界利益率が低い商品・サービスが見つかった場合は、それに係るコストをすべて洗い出し、削減できるものがないか探してみましょう。

固定費と変動費を削減するには?

固定費と変動費とは?3つの分析方法と削減のポイント
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経営分析によって問題が見つかったら、売上増加またはコスト削減につながる施策を考える必要があります。ここからは、固定費と変動費を削減する基本的な方法を紹介します。

コストをすべて洗い出し、影響が大きいものを見極める

会社経営ではさまざまな固定費・変動費が発生するため、すべてのコストを節約することは現実的ではありません。むやみにコストを削ろうとすると、かえって経営悪化を招く恐れもあるので、まずは重点的に削減すべきコストを見極めましょう。

固定費か変動費かによってコストの特性は変わるため、前述のように固変分解をする方法がおすすめです。

経費削減のプランを立てる

削減すべきコストが分かったら、次は具体的なプランへと落とし込んでいきます。こまごまとした節約では大きな効果は望めないので、「そのコストはそもそも必要なのか?」「代わりになるサービスはないか?」などと、根本的に見直すことを意識しましょう。

ただし、変動費は売上に影響を及ぼすため、慎重に削減プランを立てる必要があります。削減後の影響もしっかりと予測し、慎重にプランを考えていきましょう。

悩んだら専門家に相談する

プランの策定で悩んだら、専門家に相談することも考えましょう。

相談先の例としては、税理士やコンサルティング会社が挙げられます。資金繰りをサポートしてくれる専門家に相談をすれば、資金調達やコスト対策に関するアドバイスを受けられます。

無料相談を受け付けているケースもあるので、選択肢としてぜひ検討してみてください。

まずは固定費から削減することがポイント

効率的にコスト削減をするには、固定費に目を向けることが重要です。固定費は毎月発生するランニングコストなので、数万円削るだけでも1年単位で見れば大きな節約になります。

余裕のある方は変動費も見直し、自社に残る利益を増やしていきましょう。