内線電話・外線電話の両方の役割を果たし、社内の業務効率化につながるビジネスフォン。ビジネスシーン以外ではあまり見かけないため、その多機能性や便利さを知らない方も多いのではないでしょうか?
本記事では、ビジネスフォンの概要や導入メリット、基本的な使い方を初心者向けにまとめました。業務効率化に興味がある方は、ぜひ最後まで参考にしてください。
そもそもビジネスフォンとは?
ビジネスフォンは、複数の内線・外線を社内で共有できる通話機器です。オフィスワークで使用することを想定し、保留や転送などさまざまな機能が搭載されています。
最大の特徴は複数のチャンネルを使用できる点です。社内での情報共有はもちろん、複数の顧客にも同時対応できるため、業務効率化に役立つ機器として幅広い企業で導入されています。
ビジネスフォンと一般電話機の違い
ビジネスフォンの特徴をつかむために、一般電話機との違いも押さえておきましょう。
主な違い | ビジネスフォン | 一般電話機 |
---|---|---|
回線の種類 | 光回線、IP回線、ISDN回線、アナログ回線 | アナログ回線 |
チャンネル数 | 機器によって変動 | 1チャンネル |
顧客の同時対応 | ○ | × |
内線と外線の同時使用 | ○ | × |
価格帯(初期費用) | 1台あたり15,000円~ | 1台あたり数千円~ |
アナログ回線を使用する一般電話機では、一つの番号につき一つのチャンネルしか使用できません。そのため、1人の従業員が電話を使用している場合は、顧客への電話対応ができなくなってしまいます。
一方で、ビジネスフォンは光回線やIP回線で接続するため、常に複数の従業員が電話を使用できます。
回線の種類による業務環境の違い
ビジネスフォンの接続に使う回線は、企業によって異なります。それぞれどのような特徴があるのか、回線による業務環境の違いについても紹介します。
主な違い | 光回線・IP回線 | ISDN回線 | アナログ回線 |
---|---|---|---|
チャンネル数 | 機器によって異なる | 2チャンネル | 1チャンネル |
通話料金 | 安い | 高い | 高い |
停電時の使用 | 不可 | 可能なケースもある | 可能なケースもある |
安定性の面ではISDN回線やアナログ回線が優れているものの、これらの回線は通話料金がやや高く、1度に使えるチャンネル数も少ない特徴があります。一方で、光回線・IP回線は複数のチャンネル使用に加えて、安い通話料金での利用が可能であるため、業務効率化やコスト削減に役立ちます。
オフィスにビジネスフォンを導入するメリット
ビジネスフォンを導入すると、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、経営者が特に押さえたい3つのメリットを紹介します。
複数の顧客・クライアントに同時対応できる
光回線やIP回線でビジネスフォンを使用する場合は、複数の顧客・クライアントへの同時対応が可能になります。チャンネル数は機種によりますが、中小オフィス向けでも8~24チャンネルが用意されています。
なお、ビジネスフォンにおける最適なチャンネル数は、従業員数の3分の1程度と言われています。チャンネル数はこだわりたいポイントですが、多すぎるとコストの無駄につながるので注意しましょう。
相手の待ち時間を短縮できる
ほとんどのビジネスフォンには、通話を別の電話機に切り替える「保留転送機能」が備わっています。この機能を使用すれば、全てのスタッフが最寄りの機器から対応できるため、通話相手の待ち時間を減らせます。
待ち時間はストレスにつながるものであり、あまりにも長いとビジネスチャンスを失ったり、クレーム・苦情が発生したりといった弊害が生じます。企業イメージにも影響が及ぶため、待ち時間を減らせる点は想像以上に大きいメリットです。
社内のコミュニケーションが円滑になる
中小オフィス向けのビジネスフォンは、10~50の内線電話に対応しています。社内に設置したどの電話機にも内線通話をかけられるので、ビジネスフォンはコミュニケーションの円滑化にも役立ちます。
ちなみに、内線は公共の電話網を使用しないため、外線のような通話料はかかりません。発生するコストは電気代のみなので、低コストでコミュニケーションを取れる点も魅力になります。
ビジネスフォンの基本的な使い方
ビジネスフォンは便利な機器ですが、不慣れな従業員が多いとかえって作業効率が下がってしまいます。そこで以下では、ビジネスフォンの基本的な使い方を「外線・内線・保留転送」に分けてまとめました。
なお、ビジネスフォンは機種によって仕様が異なるため、あくまで参考程度に留めてください。
外線電話をかけるとき・受け取るとき
ビジネスフォンの接続チャンネルは、機器上のボタンに表示されています。「外線1」「外線2」のようなボタンが備わっており、点灯・点滅しているチャンネルは使用中または着信中の状態になります。
自社から外部に電話をかける際には、ランプが点灯・点滅していないチャンネルを選択し、通常と同じように電話番号を入力しましょう。外部から着信が届いている場合は、受話器を取ってから点灯・点滅しているボタンを押すと通話できる状態になります。
内線電話をかけるとき・受け取るとき
内線電話についても、各チャンネルに対応したボタンが機器に備わっています。内線をつなげたいボタン(チャンネル)を押すと、対応する機器に着信音が流れ、受話器が取られた後に通話が開始される仕組みになっています。
なお、外線と内線とでは着信音が異なるため、電話の取り違いを心配する必要はありません。
保留転送をするとき
保留転送をする場合は、機器に備わっている保留ボタンを押します。その後、転送したい内線ボタンを押すと、すぐに別担当者の機器へとチャンネルが切り替えられます(※保留転送中はBGMが流れる)。
通話を転送された側が、受話器を取ってから点灯・点滅している外線ボタンを押すと、顧客・クライアントとの通話が再開されます。
ビジネスフォンは大幅なコストカットにもつながる
ビジネスフォンは、オフィスの業務効率化につながる便利な機器です。搭載機能をうまく使いこなせば、人件費やコミュニケーションコストも削減できます。
最近ではさまざまな機種が登場しているので、各製品の機能をしっかりと比較した上で、自社にぴったりなビジネスフォンを探してみましょう。